木製サッシの結露対策

 

今日の最低気温は-10℃前後の寒い一日でした。朝方の8時頃の外部温度は-5.1℃で室内は21℃の温度環境で我が家の木製窓が結露していました。我が家は21年前の1999年7月にデンマーク製の木製サッLOW−Eガラス(アルゴンガス入り)の窓を採用した家です。(当時としては最先端で木製でドレーキップ、オーニング、ヘーベーシーベを採用)写真のように木製サッシであってもガラス下端に結露が発生し、水玉ができています。表面結露の集合体(水)です。この時の結露発生付近の相対湿度は53.9%で温度は15.3℃を示していて露点温度は6.0℃を計測しています。つまり、この窓付近の温度が6.0℃になると表面結露が発生しますよ!ということのお知らせなのですが、それではどの部分から露点温度に達するのでしょうか?その、結露が発生するポイントを探します。

写真①はレーザー式表面温度です。測定ポイントは●印の所です。ここではペアガラスのアルミスペーサー部分を測定しています。レーザーポイントがスペーサーを照射しています5℃を指しています。
写真②ではペアガラスのグレチャン(ガラスを抑えるビート)の表面の温度を測定、6℃であることが確認できます。つまり、露点温度は6.0℃でしたから、先ず最初に結露はここのグレチャンから始まるだろうことが推測されます。
しかし、写真①ではグレチャンの表面温度より低い5℃ですから温度だけから判断すると最初に結露が出るのはこの中であるように思われますがペアガラスの中空層は室内より乾燥空気で水蒸気量が少ない(絶対湿度は低い)ので温度が低くても露点温度は高いことが推測されます。
写真③はグレチャンより室内側の木製の障子の下端を測ると10℃
ついでに周囲の表面温度も測ってみました。
写真④は18℃写真③と同じ木製サッシの障子ですが、こちらは縦枠を測っています。写真③では10℃でしたから8℃の温度差が出ています。
同じ場所の障子なのに高さが少し違っただけでこんなに違うのです。(それは何故なんでしょうか?)
実はこれ!コールドドラフトを防ぐために窓下にはパネルヒーターが設置されていますが机の左に設置されている所はテーブル代わりになり、パソコンやケーブルが乱雑に置いたため空気の流れが悪くコールドドラフトを防ぐ役割を果たしていないのです。そのため窓の直下は寒く、窓上は高い温度になっています。
写真⑤は室内側の4方枠の縦枠・・の表面温度は22℃です。
写真⑥は室内側の壁面の・・・表面温度は写真③と同じ22℃です。
検証の結果は?暖房器があるにもかかわらず断熱性能が低いアルミスペーサーが原因で窓下面の表面温度を上げることができなかったこと、さらアルミスペーサーが外気の-5℃の影響を受けて露点温度に達してしまい結露が発生!と考えられます。

簡易の改善策は写真2のように下枠に木の押縁を追加することで改善されましたが市販のシート、テープ類写真3では結露防止には役に立ちませんでした。最近ではアルミスペーサに変わって樹脂スペーサーになっているサッシが多くなりました。樹脂スペーサーはアルミと比較すると熱伝導率が約1000分の1しかありませんのでペアガラスのスペーサーを樹脂製に変えることでと断熱効果がさらに上がり安定感のある室内環境を実現できます。
さらに、高断熱サッシの結露に原因と改善策の詳細解説について知りたい方は日経ホームビルダー編者の「100の失敗に学ぶ結露完全対策」26P~29Pに記載されていますのでご覧下さい。