計画時の「気密性能(相当隙間面積C値)を○c㎡/㎡にします」と言われても、完成後に気密測定をしないと計画時の気密性能は担保されるのか?疑問が残ります。
また、「モデルハウスの気密が○c㎡/㎡だったから、お宅も大丈夫でしょう」と言われも施工者や施工の仕方で一棟一棟気密性能は違うものです。
気密測定はこのような不安を解消するために必要な測定です。例えば、水漏れのするバケツでは器の機能を果たしません。それと同様に住宅の気密性能が悪いと換気性能の低下や省エネルギー性の低下を引き起こします。
確かな気密性能の品質を担保するためには気密測定は不可欠なのです!
建物の外被全体(気密層や窓・ドアなど全体)の隙間が測定対象です。
気密層は一般的に、建物のの内外を隔てている断熱部位と一致している場合が多くなっています。
現在では、減圧法という気密測定方式が主流です。
減圧方とは、
室内の圧力を低くし、屋外から室内に空気が流入するように仕掛をして測定する方法。
このとき測定した1パスカル圧力時の通気量をもとに計算され相当隙間面積が算出されます。
相当隙間面積は、○c㎡/㎡と表します。
これは、1平方メートル当たりに○cm角の隙間が存在すると表したもので、建物の実質延べ床面積に相当隙間面積を乗じたものがその建物の総隙間面積となります。
実質延べ床面積とは、建築図面の延べ床面積とは異なります。
室内空間の容量から、本来床ではない部分(吹抜けや勾配天井など)に床を想定して計算された床面積となっています。
気密測定は、気密測定事業所登録をしている気密測定技能者が行うこととなっています。
気密測定結果表は、左の表で提示されます。
測定日の状態や測定点が表記され、測定結果が表されます。
一番下には、測定の通気量グラフも提示されます。
結果には、
隙間特性値n・通気率・総隙間面積・相当隙間面積・50Pa時の確定流量・50Pa時の漏気回数などが表記されます。
この他に、
測定した建物の考察や測定建物が世界のどの基準に適合する建物なのかを明記し、測定結果を保証するものとしています。
●建物外被・・・・・・・・気密層を含む外壁・屋根・天井・基礎・床および開口部等、建物内外を気密に隔てるものをいいます。
●通気量(㎥/h)・・・・ 建物内外にある圧力差があるとき、隙間を通して1時間当たりに流れる通気量のことをいいます。
●隙間特性値n・・・・・・通気量グラフで示された回帰直線の傾き(n)で、1~2の範囲の値になります。
nの値が1に近い場合は小さな穴が分布している事を示します。
nの値が2に近い場合は比較的大きな穴が分布してる事を示します。
●通気率・・・・・・・・・建物内外の圧力差が1Pa(パスカル)の時の1時間あたりの通気量のことです。
●測定圧力差・・・・・・・測定のために建物内外に生じさせる圧力差のことです。
●総相当隙間面積c㎡・・・ 圧力差9.8Pa時の流量から、等価の単純開口の有効面積を算出したものをいいます。
●相当隙間面積c㎡/㎡・・ 総相当隙間面積を建物外被内の実質延べ床面積で割ったもの。
●実質延べ床面積・・・・ 実質延べ床面積は、原則的に換気にかかわる部分の床面積とし、省エネ基準による熱損失係数を算出する際の床面積の計算方法に準じます。