一頃、充填断熱vs外張り断熱で議論されている場面を多く見ましたが、どちらでも良いのではないでしょうか?
弊社では、どちらの工法も施工してきましたが、どちらにも長所短所はあります。
それよりも問題なのは、どの工法でも竣工時または引渡し後に設計Q値がキチンと出ているかが問題なのです!
また、どちらの工法でもそれ一色では、Q値1.0W/㎡Kは難しいものです。
省エネルギー性を考えた場合、組み合わせで実現可能なさまざまな工法で設計Q値を確実に出せる施工性を考えた方が、前向きなのではないでしょうか?
弊社では断熱工法に捉われない住む人にあわせた独自の断熱方法で、熱計算・結露計算を行いながら、確実な施工精度でQ値を確かなものとしています。
充填断熱工法:
柱と柱の間に断熱材を施工する工法で、断熱材を柱間に充填後、室内からの湿気の浸入を防ぐ目的や充填した断熱層への空気の浸入を防ぐ目的で防湿気密シートが貼られます。
このことで、断熱材の効き目が良くなり、断熱層での結露の発生がほぼなくなりました。
これを高断熱高気密の充填断熱工法と呼びます。
従来(現在でも一般住宅)は、防湿気密シート施工がなく、柱間に充填されたグラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材へ空気の浸入から断熱材の効き目を悪くし結露が発生することで、繊維系断熱材が結露水を吸い込み断熱の性能を悪くしていました。
現在では、水を吸う断熱材の弱点を克服するため発泡系断熱材を充填する新工法なども現れてきています。
しかし、充填断熱の基本は柱の内側(断熱層のすぐ内側)への防湿気密シート施工は欠かせないものとなっています。
外張り断熱工法:
外壁面や基礎・屋根面の木材やコンクリートの外部側へウレタンやポリスチレンなどの発泡系断熱材で住宅をスッポリとおおう断熱工法です。
透湿抵抗の高い発泡系断熱材に更に透湿抵抗の高いアルミ箔などを蒸着させることにより、防湿気密シートの施工は、省くことが可能です。
従来の住宅では、この工法はあまりみられない断熱工法でした。
高断熱高気密住宅の普及とともに外張り断熱工法も広まってきました。
外張り断熱は断熱区画で見ると充填断熱と違い壁の中や床下空間などは、住宅内区画となるため壁の中も自由に使うことができます。
しかし、住宅内の容積が増えるため快適環境にするランニングコストは多少多くなります。
パネル断熱工法:
主に充填断熱の応用で、外壁に面する施工をパネル化し、その中に断熱材を組み込んで外壁パネルの施工と断熱施工が同時に完了するように工夫されています。
2x4工法のパネルに断熱材を施工して、あらかじめ断熱パネル化するものもあります。
現在では、構造木部の熱橋(熱が逃げる場所)を防ぐために発泡系断熱材を外周部に補助的に施工する工法もあります。
従来の住宅では、この工法はあまりみられない断熱工法でした。
高断熱高気密住宅の普及とともに、パネル断熱工法も見られるようになりました。
工場生産のため品質にムラがなく断熱精度は良いものとなっていますが、現場加工の部分では気密や断熱の施工に注意が必要となってきます。