換気性能の良し悪しは、気密性能で変化します!

Column 2

計画換気システムは現在はすべての住宅に気密性能の善し悪しに関係なく設置されることが義務けされています。
しかし、実はその計画換気が成功するかどうかは、ある条件が揃わないと計画通りの換気がなされないので計画換気扇(システム)がついただけでは安心はできないということになります。
一定水準の気密が確保最低でも1.0cm2/m2未満の気密性能がポイントなのです。

気密の項でも触れましたが、次世代省エネ基準の2.0cm2/m2の気密性能では1Fの隙間から給気されて、2Fの隙間から排気されてしまう内外温度差換気による漏気現象が起きてしまうのです。
高気密にする理由は、このように建物の隙間から起きる自然換気(漏気)を防ぐ意味があるのです。換気量を適正に保てば衛生的で暖冷房の換気損失も最小限にできます。
そのためには「空気量を適正に計量できる換気装置が必要」です。
しかし、設置する家に自然換気が起きる隙間があっては風の圧力で隙間から自然換気が発生し換気の計量が崩れれてしまいます。

換気システムの正しい考え方は「換気量を計量したいから、風の影響で自然換気が加わらない水準まで・・・建物の気密化を図る」というのがが基本なのです。

換気の流量は、実測で確認が必要です!

Column 1

室内の空気を綺麗にすることが換気の大きな役目ですが引き渡しされた住宅でつけられた換気の換気量を提示されることはほとんどありません。

換気量の提示の要求をすると住宅の全体の設計上の換気量の計算値を表示する事が多いのが実情です。このような、計算値・カタログ値だけの換気の量では、実際お住まいになる住宅で本当に換気(空気の入れ替え)が行われているかは疑問です。

前項で説明したとおり気密が悪いと、計画的な換気は行われにくく換気装置の音はしても、正確に換気されないなどの問題も起こっています。

換気が悪い場合の現象は①新築時の匂いがする。②匂いがこもる。③陽が室内に差し込んだ時に細かな粉塵が光の加減で見える。④窓に結露が見られる。などの現象が確認されます。

住宅の性能を高めるためには気密測定試験をすることの他に換気の風量測定試験もする必要があります。(現在は残念ながらどちらの試験も義務付けはされていません。)