以下の断熱材の組み合わせとなります!(工法に捉われない)

Q値設定や断熱材の入る部分の寸法によって、ご希望の断熱材や工法が変化することは、ご了承ください。

充填断熱で使われる主な繊維系断熱材

グラスウール断熱材:
短いガラス繊維でできた、綿状の素材で価格が安いわりに断熱性能が良い。
また、切断・曲げなど、自由に加工することができる。
一方、水に弱く、いったん水に濡れると断熱性能・吸音性能が著しく低下する。
主要断熱方法は、充填断熱工法となります。一部外張り断熱で使えるものもある。

密度は10kg/m³・16kg/m³・24kg/m³・32kg/m³などがある。
手で壁や屋根などに詰める充填断熱のグラスウールの密度は、16kg/m³が主流となっている。
グラスウールの熱伝導率は、0.045W/㎡Kとなっている。
しかし、高性能グラスウールの熱伝導率は、0.038W/㎡Kと断熱性能は良くなっている。
これは、ガラス繊維が細かく、性能が通常のグラスウールより一段階性能があがるためである。
この他に、機械などで壁や屋根などに詰める充填断熱方法もあります。

また、密度32kg/m³品はグラスウールボードに良く使われ、撥水性をもたせて付加断熱に使用する場合も多い。

ロックウール断熱材:
玄武岩、鉄炉スラグなどに石灰などを混合し、高温で溶解し生成される人造鉱物繊維。
綿状の素材で価格が安いわりに断熱性能が良く、グラスウールよりも高い耐熱性を持っていますが、やはりグラスウールと同様に水には弱い断熱材です。

主要断熱方法は、充填断熱工法となります。
ロックウールの熱伝導率は、一般で0.038W/㎡Kとされています。

セルローズファイバー:
新聞古紙を主原料に防熱・撥水性能を付加した建築用断熱素材です。
吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、駆虫性、防カビ性。防音性に優れていますが、やはりグラスウールと同様に水には弱い断熱材です。
また、充填時の沈下にも注意が必要とされています。
主要断熱方法は、充填断熱・吹込み断熱となります。
熱伝導率は、0.040W/㎡Kとされています。

羊毛断熱材(オーガニック系断熱材):
天然繊維である羊毛を使用して製造されたエコロジーな断熱材である。近年、天然系断熱材として注目されている。
羊毛断熱材は羊毛自体が化学繊維・石油系繊維に比べると難燃性の高い繊維であるために、火災時の燃焼熱の発生を押えることができる。
吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、有機化合物吸着性にすぐれているが、やはり水には弱いものとなっています。

主要断熱方法は、充填断熱工法となります。
リサイクルも可能な材料ですが、ヴァージンウールとリサイクルウールでは熱伝導率が変わってきます。
ヴァージンウール0.040W/㎡Kに対しリサイクルウールは0.044W/㎡Kとなっています。価格も違いますので確認が必要です。

エコプロファイバー断熱材(オーガニック系断熱材):
エコプロファイバーとは、杉の樹皮を粉砕したバークを主成分とする綿状の吹込み断熱材です。
ホルムアルデヒドやアンモニア等のVOCが拡散された空間で使用することにより、これらのVOCガスを効率よく吸着し室内空気を浄化する効果もあります。
また、バークには忌避作用が認められ、ネズミ対策にも充分効果を発揮します。
吸湿性、難燃性、断熱性、リサイクル性、有機化合物吸着性にすぐれているが、やはり水には弱いものとなっています。また、充填時の沈下にも注意が必要とされています。

主要断熱方法は、充填断熱工法となります。
熱伝導率は、0.042W/㎡Kとされています。

外張り断熱で使われる主な発泡系断熱材

硬質ウレタンフォーム:
独立した微細な気泡の中に熱伝導率が極めて小さいガスを閉じ込めている為、硬質ウレタンフォームは他のプラスチックフォームや無機系断熱材に比べて、経済的な厚みで優れた断熱性が得られます。
又硬質ウレタンフォームは施工現場での発泡が容易で、多くの材料と自己接着しますので複雑な構造物に対しても隙間の無い連続した断熱層を作ることができます。
硬質ウレタンフォームは独立気泡構造であり、水や水蒸気の浸入に対する抵抗は強いと言えますが、硬質ウレタンフォームに紫外線を長時間当てると劣化が早いです。
また、自己消化能力はあるようですが、火気に接すると燃焼しますので取扱いにおいては火気に対する注意は怠らないようにして下さい。

主要断熱方法は、外張り断熱工法となります。
熱伝導率は、0.021W/㎡Kと高い断熱性能を持っています。
この断熱性能の高さが他の断熱材の厚さより薄く出来る根拠となっています。

フェノールフォーム:
フェノールフォームは、フェノール樹脂に種々の変性を行い、発泡硬化させて得られたもので、発泡プラスチックの中でも、熱的・化学的に最も安定した性質を有すると共に優れた断熱性を有します。
極めて高い独立気泡が構成されており、長期にわたって高い断熱性能を維持します。
基材のフェノールフォーム樹脂はで炎を当てると炭化する性質があり、燃焼時の有毒ガス発生の心配もありません。
ただし、脆いことで補強面材などが必要であることと透湿性能がやや低い事があげられています。

主要断熱方法は、外張り断熱工法となります。
熱伝導率は、0.021W/㎡Kと高い断熱性能を持っています。

押出法ポリスチレンフォーム:
ポリスチレンフォーム断熱材には、製法によって、ビーズ法と押出法の2つの種類がある。
押出法ポリスチレンフォームは、ポリスチレン樹脂に炭化水素や代替フロンなどの発泡剤を加えて押出成形される。製品は、板状の形状となる。ビーズ法よりも断熱性、耐圧性、耐候性に優れ、透湿抵抗が大きい物が得られるが柔軟性に欠ける。形状維持性能が高いのでコンクリート打ち込み工法に対応できる。
発泡系断熱材の中ではもっともコストパフォーマンスに優れているため普及率が高い。

主要断熱方法は、外張り断熱工法となります。
熱伝導率は、3種で0.028W/㎡Kと高い断熱性能を持っています。

断熱パネルや充填断熱として使われる発泡系断熱材

高発砲ポリスチレン材:
簡単なイメージは、スポンジです。
気泡が単独ではなく連通のために、透湿性が良く水分を透過させます。
その事から、鉄部の熱橋からの結露防止にこの材料を使うと水を通すので不向きです。
また、この材料を使う場合断熱材の室内側に透湿抵抗の高い金属若しくはビニールなどを貼ル必要があります。

主要断熱方法は、充填断熱工法となります。
熱伝導率は、発砲系断熱材の中では高い0.042W/㎡Kとされています。