暖房機の重要性

暖房機には、冬の結露防ぐ重要な役割があります。
高性能住宅では、一般の住宅よりも気密性が優れているため、室内で給排気を行う暖房機は
過度の湿度を撒き散らし結露の原因となりやすい開放型暖房機(ファンヒーターなど)を選定すると、大変危険です。
また、輻射熱でのムラのない室内温度環境を目指すと壁付近と窓付近では、熱損失で約10倍の違いがあります。
窓表面の温度を上げることによりコールドドラフトの対策を考えた暖房機を選定する事で、ウッスラと来る窓の表面結露を防ぐ効果も期待できます。
建設前に、住宅の必要暖房カロリーを計算し暖房機を設定・暖房ランニングコストを知ることは、住宅を快適かつ省エネで結露の発生を極力抑えた耐久性のある住宅建設に必要なことです。

小型暖房の種類

◇開放型暖房器{石油ストーブ・ガスストーブ・ファンヒーター・(石油・ガス)}
★湿気発生がある
室内空気を使って燃焼し排気ガスも室内に出す。燃焼排ガスで部屋を暖めており空気が汚れ、湿気も大量に発生する。「高性能住宅」では、空気汚染や室内結露の原因となるので使用してはいけない。

◇半密閉型暖房器{ポット式ストーブ}
★湿気発生は、少ない
室内空気を使って燃焼し、廃ガスは煙突を使って屋外に出す。空気汚染は少ないが、煙突の継ぎ目からのガス漏れに注意しなければならない。燃焼用空気の供給が必要である。「高性能住宅」に、適してるとはいえない。

◇密閉型暖房器・FF式温風暖房器
★湿気の発生は、ほとんど無い
屋外空気を使って燃焼し、排ガスも屋外に出すのでクリーンな暖房器である。給排気筒を有し、そのための穴を壁にあける必要がある。設置場所は固定となる。「高性能住宅」には、比較的に適したストーブである。

 ◇エアコン
★湿気の発生は無い
電気駆動の暖冷両用機で湿気は発生しない。屋外機と室内機が別れたものが多く、屋外機が外気中の熱をくみあげて室内に供給するヒートポンプ式の物もある。ヒートポンプ式のものは、効率は電気ストーブより良く、コストは石油やガスとほぼ同程度である。

大型暖房の種類

◇床暖房・電気カーペット
★湿気の発生は無い
温度分布が小さく比較的低温で快適な環境が得られる。湿気の発生は無い。床暖房には熱の媒体により温水式と電気式があり、形式的には埋め込み型と敷設型がある。電気カーペットは床暖房の簡略なタイプで主に補助的な暖房としての使用に適している。

◇蓄熱暖房機
★湿気の発生は無い
電気を直接熱に変えるので空気が汚れず比較的安全である。

現在は、蓄熱式のものもありランニングコストも昔とは比較にならないほど小さくなっている。

◇集中暖房{セントラルヒーティング}
★湿気の発生は無い
水 や空気を媒体として熱源機から各室へ熱をダクトで分配する。各室に放熱器が必要であるが、同時に他数室の暖房が可能である。湿気は発生しない。熱源と放熱 機の間にダクトが必要である。「高性能住宅」には適した暖房システムであるがイニシャルコストが他の暖房器具よりも高くなる。

補助暖房の種類

◇電気ストーブ
★湿気の発生は無い
電気を直接熱や温水に変えるので空気が汚れず比較的安全である。大容量のものが少なく、小さい部屋や補助的な利用が中心となる。現在は、温水パネル式のものもありランニングコストも昔とは比較にならないほど小さくなっている。「高性能住宅」の補助暖房として適している。